カリブ海のあたりにトリニダード・アンド・トバゴという国があります。国の成り立ちそのものはあの辺の例にもれず欧米の植民地になって奴隷がいっぱいいて、という感じであんまり明るくはありませんが、聞いた話では今ではすっかり明るく楽しい南の島になってるようです。私は行ったことはないのですが、某氏の大切なお友達にこのT&T(と現地では言うそうです)出身の方がいらっしゃいます。見た目は100%中国人ですが心は南の島の人で、どこの天国から下りて来たのかと思うほど親切の塊のような方です。
この方には本当にお世話になったので、前々から何かお礼をしたいと思っていたのですが、何をしたものかなと考えあぐねているところに雑誌でトリニダード&トバゴの国鳥であるスカーレット・アイビスという鳥の写真を見つけました。小さいし、手の平サイズの額縁にぴったりです。
さっそくできあがり。ちまちまと塗っていくだけで小さいので、工程写真はありません。ガラス絵を描いてみた人からは「ムラになってしまう!」という声を必ず聞きますが、長年描いている私でもやっぱりムラになります。それでもいいので気にせず塗り重ねていくと、そのうちにムラもなくなります。それに、どことなくぎこちないのがガラス絵のいいところだとも言えるし、楽しく描いてみてください。それにしても、どことなく冗談っぽいデザインの鳥ですね。
裏はこうなっています。
背景をどうしようかなと、例によってしばらく悩みます。もともとはマングローブのジャングルにいる鳥だそうなので、それじゃやっぱりジャングルっぽい背景がいいのかなとも思いますが、それはいかにも面倒臭そうです。そうこうするうちに、こんなのを見つけました。うん、これならぴったりです。
さっそくダイヤモンドを散らします。買うと高いけど描くとタダというのがいいですね。
白の裏を黒で抑え、きらきらした感じを出します。
もとの写真は青で、それも赤とよく合って綺麗なのですが、やっぱりジャングルのイメージが欲しいので緑色にします。筆でまっすぐな線を引くのは難しいですね。なお、こうやって薄い線を引いた後でべた塗りをすると、薄い部分がべた塗りの絵の具で動いたり、混ざって消えてしまったりします。そうならないように、できるだけやわらかい筆を使ってバーニッシュを薄く塗って抑えておく必要があります。小さな一手間ですが、これをしないと後で激しく後悔することになるので、ぜひとも省かずにバーニッシュを使ってください。
黒に近い緑色で全体を抑えてできあがり。鳥の部分は暗くなり過ぎないようにべた塗りは避けます。
できあがり。色合いがやっぱりクリスマスじみているので、クリスマスプレゼントということにしようかと思います。たくさんお世話になった割には安直なお礼で申し訳ないのですが、世の中というのは得てして不公平なものです。これも運命と思って納得していただこうと思います。
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